Time〜元新撰組と現代少女〜
栞「………だから?」
土「だから、って……………お前なぁ。」
土方さんは溜め息を吐くと、頭をがしがし掻いた。
土「俺が京にいた頃、怪我なんかしてたか?」
栞「……………あ、」
本当だ。
確かに怪我してるのは見たことがない。
土方さんはいつも無傷で帰ってきていた。
私が土方さんのことを見上げると、そこには不敵な笑みを浮かべる土方さんがいた。
その笑みは、私の中の不安を溶かしていくようだった。
土「俺が勝てないのはな、近藤さんだけなんだよ。」