年の瀬のヴァンパイア
「絆創膏なのね? 包帯じゃなくて?」

麻衣ちゃんがうなずく。

「普通の絆創膏? 大きいやつ?」

「…普通の…」

今朝の井戸縁の血を思い出す。

擦傷であれ切傷であれ、あんなに出血するほどの怪我を、絆創膏で塞げるとはとても思えない。

となると考えられるのは…
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