年の瀬のヴァンパイア
リードを引っ張る。

「ちょっと! 犬!」

何やら一点をじっと見つめて動かない。

もともとあたしにも元店長にもなついてなんかいなかったけど、ここまで反抗的な態度を取るのは珍しい。

犬の視線をたどってみると、隣家の庭を向いていた。
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