年の瀬のヴァンパイア
携帯の画面が放つ光が、障子越しの月明かりと交差する。

障子に人影が浮かんでいる。

窓は尚も叩かれ続けている。

荒い息遣いと、嗚咽…

しばらくボタンを触らずにいたせいで、携帯の省エネモードでライトが消えた。

次の瞬間、冷たい小さな手が、あたしの手の甲に覆い被さってきた!
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