年の瀬のヴァンパイア
あたしは大急ぎで窓の鍵を開けた。

「里恵奈! 何があったの!?」

「天井…天井から血が…」

「落ち着いて! とにかく中に!」

「あ…あたし…麻衣の部屋で布団に入って…うつらうつらしてたら、いきなり手に血が…! 天井から血が垂れてきたの!!」

血に染まった両手を大きく広げて、あたしの鼻先に突きつける。

確かに、幻なんかではない。
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