年の瀬のヴァンパイア
近所で一番大きくて、近所で一番古めかしい、日本家屋。

もちろん水道は通じてるけど、庭には井戸が残ってる。

雪の積もる庭。

朝食もまだであろう時間帯。

そんな冷たい井戸水で、小学校低学年くらいの女の子が、パジャマの上に“どてら”を羽織って、今にも泣きそうな顔で必死に手を洗っていた。
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