氷の姫とヒマワリの王子様
第一章
藍side
今日も憂鬱な私の心なんかお構い無しに晴れ渡っている空の下、誰かと話す訳でもなく、ましてや挨拶もなしにただ一人で校舎へと向かう。
靴箱を開けてそして溜息。
「(・・・はぁ、またですか)」
バサバサバサッ
なだれ落ちてくるのは手紙の山たち。
しかも、男の子からの、とかじゃなくて(いや、それもあるけど。)大半が女の子からのファンレターである。
それらを紙袋に詰めて重い足を引きずりながら、やっとこさ教室へ辿り着く。
「ヤッホー、藍ちん。今日も相変わらずモテモテだねぇ、女の子から」
ニヤニヤと近寄ってきたこいつは霧雲涼。私の唯一の幼馴染み。
「女からって何ですか、女からって」
第一友達になんてなる気も無いのにこういうファンレターとかやめて欲しい。
私は直接話し掛けてくれた方が断然嬉しいのだ。
…友達が少ない故に。
「そんなにカリカリすんなって、ハゲるぞ?」
ケラケラ笑いながら、言ってくる涼を軽くスルーして自分の席に座る。
涼も前の席に座ってケータイを弄り出した。
少しすると騒がしかった教室もだんだんと落ち着いてくる。
そして、先生が入ってくるとHRが始まった。
私は特に何かするわけでもなくぼーっと教室を見渡した。
すると、
トントン
机が叩かれて私はその先を見た。
そこには、クラスの中であまり目立たない地味な男の子が。
名前は、紺野優。
女の私からしても綺麗だと思う程の白いスベスベの肌に艶のある黒髪。
長い前髪から深い海の様な色をした瞳がジッと私を見つめている。
『どうかしましたか、紺野君』
「…消しゴムが落ちてしまって」
『消しゴム?…あぁ、コレね』
はい、と言って紺野優に消しゴムを手渡す。
すると、彼は形のいい唇に弧を描きありがとうございます、と言った。
その微笑みに何故だか私は顔に熱が集まるのを感じた。
何かの病気じゃないのかというくらいに体中がドキドキして、すぐに私はその手を引っ込めた。
今日も憂鬱な私の心なんかお構い無しに晴れ渡っている空の下、誰かと話す訳でもなく、ましてや挨拶もなしにただ一人で校舎へと向かう。
靴箱を開けてそして溜息。
「(・・・はぁ、またですか)」
バサバサバサッ
なだれ落ちてくるのは手紙の山たち。
しかも、男の子からの、とかじゃなくて(いや、それもあるけど。)大半が女の子からのファンレターである。
それらを紙袋に詰めて重い足を引きずりながら、やっとこさ教室へ辿り着く。
「ヤッホー、藍ちん。今日も相変わらずモテモテだねぇ、女の子から」
ニヤニヤと近寄ってきたこいつは霧雲涼。私の唯一の幼馴染み。
「女からって何ですか、女からって」
第一友達になんてなる気も無いのにこういうファンレターとかやめて欲しい。
私は直接話し掛けてくれた方が断然嬉しいのだ。
…友達が少ない故に。
「そんなにカリカリすんなって、ハゲるぞ?」
ケラケラ笑いながら、言ってくる涼を軽くスルーして自分の席に座る。
涼も前の席に座ってケータイを弄り出した。
少しすると騒がしかった教室もだんだんと落ち着いてくる。
そして、先生が入ってくるとHRが始まった。
私は特に何かするわけでもなくぼーっと教室を見渡した。
すると、
トントン
机が叩かれて私はその先を見た。
そこには、クラスの中であまり目立たない地味な男の子が。
名前は、紺野優。
女の私からしても綺麗だと思う程の白いスベスベの肌に艶のある黒髪。
長い前髪から深い海の様な色をした瞳がジッと私を見つめている。
『どうかしましたか、紺野君』
「…消しゴムが落ちてしまって」
『消しゴム?…あぁ、コレね』
はい、と言って紺野優に消しゴムを手渡す。
すると、彼は形のいい唇に弧を描きありがとうございます、と言った。
その微笑みに何故だか私は顔に熱が集まるのを感じた。
何かの病気じゃないのかというくらいに体中がドキドキして、すぐに私はその手を引っ込めた。