恋の病院
「ただいま・・・」
家に帰れば母親が玄関まで来た。
「何?」
亜弥は母を睨む。
「もう、一人で登下校するのは危ないんじゃ・・・」
「うっさい!!黙っててよ」
八つ当たり。
そうでもしないと恐怖で死んでしまいそうで・・・・・・
「亜弥・・・」
「もういい。寝るから、邪魔しないで」
そう言って、部屋のドアを閉める。
「・・・・・・・・・」
母はただ無言でドアを見つめる。





「ごめんなさい・・・お母さん・・・」
実は、もうほとんど見えなくなっている。
一メートル先が見えない。
「私・・・どうなっちゃうんだろう・・・」
不安が毎日のように大きくなる。
「こんなに怯えて・・・馬鹿みたい・・・」
自然と涙が出てくる。
「・・・・・・っ」
泣いたってしょうがない。
分かってる。
でも・・・
やり場のない恐怖と不安が心の中で渦巻く。
「助けて・・・・・・」



・・・・・・タスケテ
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