大嫌い。でも…ほんとは好き。(旧題:ラブ・ストリーミング) 番外編
「今日が何の日か知らない訳ないでしょ? 企画だってしてきたんだし」
「……どっかに隠すとこないかな」

「俺にちょうだい。そしたら、かくまってあげる」

「武内くんはチェック終わったの?」

「ううん。時間帯的に、男が持ってる率高いのは、終業後だからさ。朝は女子のチェック」

「……ホント最低最悪。なんでそーいうことするかな」

 徹底されすぎていて、ため息しか出て来ない。

「社内恋愛禁止だから、それでまた芋づる」
「いつだって芋づるよ。参ったなぁ。せっかく作ったのに……」

 思わず一言。それに武内くんは食いついて来る。

「そっか。それっていうことはさ、あげる相手が決まってるんだよね?」
 ……鋭い。というか知っててわざと。

「俺にはないの? 残念だな」
 小悪魔な顔をする武内くん相手に、私は四苦八苦する。

「武内くんには、別のを用意しようと思ってて……」
「で、誰にあげるつもりだったの」
 間髪いれずに訊いてくる。そして彼は、あっと声をあげた。
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