大嫌い。でも…ほんとは好き。(旧題:ラブ・ストリーミング) 番外編
……取られてまずいのは、社内恋愛禁止だからじゃない。
私の場合は……そんなことを考えながら、半分パニックになっていると、矢野課長からのお呼び出し。
「松永、こっち来い」
肩がびくんとつり上がる。あ~あ、という武内くんの表情。私はそのまま鞄を抱きしめてフリーズし、矢野課長の眉根もぴくんと釣りあがる。彼のレーダーは見事に命中した。
「その鞄ごとだ。いいな?」
「これは……それに、ちゃんと私、趣旨分かってますから。だから」
しどろもどろに言う私をじぃっと舐め回すように見たあと、ふっと意地悪く不敵な笑みを浮かべた。
「会議室に行った方が良さそうだな?」
「………」
武内くんの同情めいたため息をよそに、後から入って来た結城くんが「どうしたの? また松永とやりあってた? 課長」と、空気を読まずに大声で喋り出した。
私の場合は……そんなことを考えながら、半分パニックになっていると、矢野課長からのお呼び出し。
「松永、こっち来い」
肩がびくんとつり上がる。あ~あ、という武内くんの表情。私はそのまま鞄を抱きしめてフリーズし、矢野課長の眉根もぴくんと釣りあがる。彼のレーダーは見事に命中した。
「その鞄ごとだ。いいな?」
「これは……それに、ちゃんと私、趣旨分かってますから。だから」
しどろもどろに言う私をじぃっと舐め回すように見たあと、ふっと意地悪く不敵な笑みを浮かべた。
「会議室に行った方が良さそうだな?」
「………」
武内くんの同情めいたため息をよそに、後から入って来た結城くんが「どうしたの? また松永とやりあってた? 課長」と、空気を読まずに大声で喋り出した。