大嫌い。でも…ほんとは好き。(旧題:ラブ・ストリーミング) 番外編
広報部のフロアにある第一会議室のドアをさっと開けられ、入ってすぐわざとらしくカチャと鍵をかけられる。
私は背を見せるのが怖くて、くるりと振り返る。すると、矢野課長の広い胸にどんと鼻をぶつけ、彼に見下ろされる恐ろしさで、再びフリーズをした。
「おい、おまえがそんなんじゃ、しめしがつかないぞ」
腕を組んで仁王立ち。迫力があるったらない。156センチの私から見たら壁だ。
「最初から疑ってかかってるじゃないですか。見てから言って下さい」
とりあえず言い返してみる。そうすることでしか彼に勝てはしないから。
「じゃあ、今すぐ見せろ」
「……いいんですか? びっくりしても知りませんよ」
どうせ見られたら、没収されるんだし、というよりも課長の方がフリーズするかもしれない。
開き直って鞄から真赤なハートのラッピングを取り出し、どうぞと押しつけると、意外にも課長は無言のままで受け取り、私の顔を見つめて来た。
「………」
私は背を見せるのが怖くて、くるりと振り返る。すると、矢野課長の広い胸にどんと鼻をぶつけ、彼に見下ろされる恐ろしさで、再びフリーズをした。
「おい、おまえがそんなんじゃ、しめしがつかないぞ」
腕を組んで仁王立ち。迫力があるったらない。156センチの私から見たら壁だ。
「最初から疑ってかかってるじゃないですか。見てから言って下さい」
とりあえず言い返してみる。そうすることでしか彼に勝てはしないから。
「じゃあ、今すぐ見せろ」
「……いいんですか? びっくりしても知りませんよ」
どうせ見られたら、没収されるんだし、というよりも課長の方がフリーズするかもしれない。
開き直って鞄から真赤なハートのラッピングを取り出し、どうぞと押しつけると、意外にも課長は無言のままで受け取り、私の顔を見つめて来た。
「………」