ガラスの靴をもう一度
「営業の川上くんが、何で事務職に?」
さっそくお昼に誘われた私は、エレベーターに乗り込みながら聞いてみた。
嬉しい事に、川上くんは私の事を覚えていてくれていたのだった。
それも、雅貴の言う通り、いつか事務処理No.1で社報に載った事で、ずっと覚えていたって…。
川上くんは、とにかく社交的で会話も楽しいから、誘われて浮かれる自分がいる。
「俺はね、来年の異動でニューヨーク勤務を希望してるんだ」
「ニューヨーク勤務!?」