ガラスの靴をもう一度


笑ってる…。

私の事なんて、忘れてるんだ。

「萌ちゃん?大丈夫?」

黙ってしまった私を、心配する声がする。

「あっ、大丈夫。本当にありがとう。また明日ね」

川上くんに変に思われちゃダメ。

電話を切ると、重い足取りで歩き、ベッドへ寝転んだ。

いつだって、私を心配してくれたいた“雅にぃ”は、もういなくなっちゃったの?

子供の頃、遊んで欲しいって泣いたら、必ず遊んでくれた。

今でも泣いて、ワガママが言えたらいいのに…。

でもそれじゃ、雅貴の心は離れていっちゃうよね。

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