ガラスの靴をもう一度


「ちょっと花ちゃん!?どうしたの?その靴」

出社するとすぐ、気付いた原田さんが、目を丸くして声をかけてきた。

「これですか?実は前から持っていたんです」

すでに出社していた麻生さんは、話に乗らないまでも、視線をこちらに向けている。

「すご~い。麻生さんのバッグと同じブランド物…。まさか、花ちゃんもプレゼントとか?」

「それは、ノーコメントです」

「え~!?怪しい~!」

わざと得意げに言うと、麻生さんはただ笑みを浮かべただけで、仕事に取り掛かった。

どうですか?

私のささやかな抵抗です。

麻生さん、今さら雅貴に近付かないでくださいね。

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