ガラスの靴をもう一度
「は、はい…」
難しい顔で資料を見ていた雅貴も、顔を上げた。
「そうだな。グラフとかを、もうちょっと使ったらいいよ」
「はい。すみませんでした」
わざとでしょ?
麻生さん、わざと注意したんじゃないの?
あんなに残業したのは何だったんだろう。
言葉とは裏腹に、どうしても納得出来ない自分がいる。
そして、ますます麻生さんへの苛立ちも増してきた。
それだけでは足りないのか、会議終了間際、こんな事を言ってきたのだった。
「社長。次回からは、一般職の原田さんと花井さんの会議出席は、無しにした方がいいと思います」