ガラスの靴をもう一度


部署へ戻りながら、川上くんは宙を見てボヤいている。

「それにしても、麻生さんにはガッカリだなぁ。萌ちゃんたちを、あんな風に見てたのかな」

これには、原田さんが川上くんを見上げながら反応した。

「え~?私は別に、どっちでも良かったんだけど」

「そうなんですか?原田さんだって、仕事バリバリじゃないですか。もったいないですよ」

「川上くんほど、熱くないって」

そんな二人のやり取りを聞きながら、重い足取りで歩く。

麻生さんが、あんな露骨な事をするなんて…。

靴への仕返しなんじゃない?

そう思うと、やっぱり負けられない。

そんな闘争心が溢れてきた。

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