ガラスの靴をもう一度
「何を言ってるんですか!?」
そんな事出来るわけがないじゃない。
だいたい会議でも、雅貴に何て思われたか。
その上、川上くんに深く関わってしまったら、それこそ終わってしまうかもしれない…。
「だけど、花ちゃんて彼氏いないんだよね?」
「えっ?」
「だったら、ちょっとくらい、考えてあげてもいいんじゃない?」
そうよ。
こんな時にでさえ、私は“彼氏がいない”って言わないといけない。
彼氏がいないと思ってる川上くんが、私の為にしてくれることは、当たり前の事なんだ…。
何もかもは、雅貴との関係を秘密にしないといけないから。