ガラスの靴をもう一度
ああ~…。
ため息が出そう。
さっき感じた癒しの時間は、何だったの…?
「あの…、どちらに?」
緊張が伝わる川上くんは、雅貴が歩くままについて行く。
麻生さんは雅貴の隣を、私は川上くんの隣を歩いているけれど、手は離されてしまった。
それにしても、雅貴だって、たいがい勝手な事ばかりじゃない。
今夜、麻生さんと会うなんて聞いてないよ…。
「俺の行きつけの店があるんだ。案内するよ」
そう言って向かったのは、高級感たっぷりのバーだった。