ガラスの靴をもう一度


それは飲み屋が建ち並ぶ中でも、ひときわ高級感に溢れていて、入口では“会員制”の文字に驚いてしまった。

少し緊張しながら入ると、店内の照明は極力抑えられていて、席の上にだけオレンジ色の電球が天井からぶら下がり雰囲気を出している。

私でも初めての場所…。

きっと、接待で使うんだろうけど、後どれくらい残ってるの?

私の知らない雅貴は…。

案内された席は、夜の街が一望できる場所で、バーテンダーの人の振る舞いから、雅貴がVIP扱いされているのが分かる。

「うわ…。さすが、社長ですね。俺、こんな場所初めて来ました」

川上くんは目をキョロキョロさせながら、店内を見回した。

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