ガラスの靴をもう一度



すると雅貴は、ワイン色の革のソファーに座り、答えたのだった。

「初めてなら楽しんで。俺もここは接待で使うのが大半だから」

「はい…」

川上くん、完全に萎縮してるみたい。

気になって目を向けると、“大丈夫だよ”と目配せをしてくれた。

「そういえば二人は、どこで食事をしてきたの?」

麻生さんは初めてではないのか、慣れた感じでバーテンダーを呼ぶと、酒を注文しながら聞いてきた。

もしかして、雅貴と来た事があるの…?

それを考えると、ますます心の中が乱されてくる。
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