ガラスの靴をもう一度


「あ…、俺たちは居酒屋で。社長たちみたいに、高級な所へは萌ちゃんを誘えなかったです」

川上くんは、申し訳なさそうな笑顔で私を見た。

そんな姿に、麻生さんは小さく笑った。

そして雅貴は、余裕の顔で黙って聞いている。

そんな二人が、今夜はどうしてか、嫌悪感たっぷりに見えてしまった。

「だけど、私は楽しかったです。高級ならいいって事はないし…」

少しだけ、分かったみたい。

自分の気持ちに…。

私、迷ってる。

雅貴と一緒にいる自分に。

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