ガラスの靴をもう一度
「本気だよ?」
真っ直ぐ見つめる私の目を、雅貴はそらした。
それから、しばらくの間沈黙が続き、やっと雅貴が口を開いた。
「分かった…。今は少し冷静になろう」
「冷静に?私は冷静だよ?」
「違う。萌は感情的になってるよ」
感情的に?私のどこがよ!
不満げな顔で見ると、雅貴も納得出来ない表情で見返した。
「本当は、何か言いたい事があるんだろ?」
「え…?」
「それを言ってくれなきゃ、分からないじゃないか。川上で当てつけるのはやめろ。あいつにも失礼だから」