ガラスの靴をもう一度
たぶん、二人は一緒にここに来たんだろうし…。
今夜は遅くなるって聞いてたけど、ここに来る為だったんだ。
だったら、ちゃんと教えてくれたらいいのに。
何で隠そうとするんだろう。
麻生さんの言葉に、雅貴はムッとしたのか、口調が荒くなった。
「川上にあげたのは、萌を誘うって分かってたからだろ?優花、何が目的なんだよ。萌に挑発的な態度を取ってるのは、分かってるんだぞ?」
「人聞きの悪い事言わないで。言ったはずよ?私、雅貴と別れて後悔してるって!ずっと会いたかったのに」
麻生さんの声は、私の知ってる“デキる女”の声じゃない。
完全に“女”の声をしていた。