ガラスの靴をもう一度
「えっ!?そ、それは…」
まさか、そこを突っ込まれるとは思わなかったわ。
しどろもどろな私を、お父さんは睨みつけてきた。
「まさか、勝手に飛び出してきたんじゃないだろうな?」
「だったらどうなのよ。お父さんには、関係ないでしょ?」
まったく、娘の恋愛にまで首を突っ込まないで欲しいわ。
早いところ、アパートを見つけなくちゃ。
部屋へ行こうと階段を上り始めた時、後ろからお父さんが諦めもせず聞いてきた。
「黙って出てきたんなら、雅貴くん心配するだろ?ちゃんと話し合ってからにしろ」
「嫌よ。だいたい、雅にぃが悪いんだから。それに、実家の話も私にしてくれてなかった!せいぜい、その程度の存在なのよ」