ガラスの靴をもう一度


今度はこっちが呆然とする。

すると、崇史さんは恥ずかしそうに言った。

「一年前くらいかな…」

という事は…、

「じゃあ、私たちの事全然言えないじゃないですか!完璧、社内恋愛ですよね?」

「そ、そうだよ」

「原田さんが、やたら社長室に行きたがる理由が分かりました。いつだったか、秘書室にノックもせず入ってきた事があったし…」

思い出す様に言うと、崇史さんは目を泳がしている。

「崇史さんも、公私混同だったんですねぇ」

こうなれば、とどめよ!

嫌みたらしく耳打ちすると、いつもの強気な崇史さんはすっかり消えていた。

「萌ちゃんは相手が悪いんだよ。この会社のボスだ。俺と恋愛するのとは、次元が違う」

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