ガラスの靴をもう一度


走っておいかけたものの、一瞬の差で麻生さんが乗ったエレベーターは閉まった。

「うそ~。タイミング悪すぎ」

慌ててボタンを押すと、運良く隣が開く。

「急いで!早く」

焦る気持ちで乗り込むと、一階のボタンを押した。

麻生さんて、歩くのが速いのよね。

間に合えばいいんだけど。

そうしてやっと着いた時、案の定麻生さんの姿は見えなかった。

「どこだろ?」

辺りを見回しながら、裏門への廊下を進むと、前方に麻生さんがいたのだった。

だけど、声はかけられなかった。

なぜなら、雅貴と一緒だったから。

< 333 / 494 >

この作品をシェア

pagetop