ガラスの靴をもう一度


呆然としてしまった私は、そこから歩く事が出来ない。

ただ、二人が出て行った扉を見つめるだけだった。

“あの頃みたいに”って、きっと付き合っていた頃の事だわ。

それに、“体がもつかな?”って何よ。

何で簡単に誘いに乗るわけ?

私を好きって、口だけなの?

いい加減、雅貴が分からない。

何が真実なのよ。

どの気持ちが本当なのよ…。

もう、嫌だ。

こんな風に振り回されて、それでも嫌いにはなりきれなくて…。

雅貴を好きって気持ちから、解放されたい。

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