ガラスの靴をもう一度
宙に浮く様な感覚で歩きながら、オフィスへ戻った時、原田さんも帰り支度をしていた。
「ちょっと花ちゃんてば、どこに行ってたのよ」
「少し、空気を吸いに…」
ダメだ。
頭がボーッとする。
何もやる気が出ない…。
「変な花ちゃん。それよりさ、今日はもう終わるでしょ?飲みに行かない?」
「飲みに…?」
目を輝かせる原田さんに、目がすわってる私。
きっと、崇史さんとのノロケ話をしたいに決まってる。
私が知った事で、原田さんはようやく話し相手が出来たと、そう言っていたから。
ノロケ話は正気どうでもいい。
だけど、飲みは賛成かも。
今夜は酔い潰れるまで、飲んでしまおう。
「はい。行きます」