ガラスの靴をもう一度
原田さんと行った店は、カウンターだけのこじんまりとした創作料理の居酒屋。
店内は和風の落ち着いた雰囲気で、これなら女性一人でも入りやすそう。
その店の一番奥の席に座り、思った通りノロケ話を聞かされている。
「へぇ。真木さんて、見た目より優しいんですね」
酎ハイを飲みながら、適当に合わせると、原田さんはさらにノリノリで話をしてきた。
ケンカはいつも崇史さんが許してくれるだの、二人が会う時は原田さんの家へ来てくれるだの…。
あ、そうだ。面白い話を入手したんだわ。
これから崇史さんが何か言ってきたら、絶対使ってやろうと思う話。
“崇史はね、エッチする時は、必ず耳からキスするの”