ガラスの靴をもう一度


人には偉そうな事ばかり言うインテリな崇史さんも、所詮は一人の男。

叩けばホコリが出てくるものだわ。

「それにしても花ちゃん、よく飲むね。大丈夫?」

「大丈夫です。全然、ヨユー。次、日本酒!」

「ええ~?やめときなって。そんな飲み方してたら、酔い潰れるよ?」

酔わなきゃやってられない。

だって、今ごろ雅貴と麻生さんは、甘い甘い夜を過ごしているのだから。

何が、“俺は萌が好きだから”よ。

何が、もう一度話したいよ。

どこまでも、どこまでも、雅貴は私をバカにしてる。

少しも一人の女性として、見てくれないんだから。

「原田さん~。原田さんは、真木さんと結婚しないんですかぁ?」

いい感じで酔いが回った私は、ろれつが回らない 口調で原田さんに聞いた。

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