ガラスの靴をもう一度
「え~?まだ、そんな話はしたことないけどぉ」
原田さんてば、けっこう可愛いじゃない。
恥ずかしそうに顔を赤くして、答えてくれた。
「でもぉ、いつかはしたいって事ですよねぇ?」
私なら嫌だけど。
「うん。本当はね。結婚したいな~なんて、思ってるんだけど」
あのインテリ崇史さんと一緒にいたら、細かい事にうるさそう。
「崇史ってね、ああ見えて結構おおざっぱでぇ」
へぇ~。じゃあ、しっかりしてそうで、実はだらしないタイプとか?
それならウケるのに。
「細かい事は気にしないし、料理は得意だし、二人の時は超優しいの。ただいまのチューとかするのよ」
“ただいまのチュー”に、私は思わず吹き出した。