ガラスの靴をもう一度
「ちょっと、花ちゃんてば汚い~!」
「すいませぇん」
おしぼりで口元を吹きながら、想像してしまった。
崇史さんの“ただいまのチュー”を…。
「私、一気に酔いが覚めました」
「ええ~?どうしたのよ、花ちゃん。最近、少し変よ?」
変なのは崇史さんの“ただいまのチュー”だってば。
「それにしても原田さん、ラブラブで羨ましいですよ」
「本当~?ありがとう!私ね、ひとつ夢があるんだ」
「夢?」
「そう。いつかアメリカへ行く事。崇史も社長や麻生さんと同じで、留学してたじゃない?その時過ごした場所へ行ってみたいの」