ガラスの靴をもう一度
空白の6年間
“考えさせて”
川上くんに応えられたのはそれだけ。
夏か…。
後一ヶ月半くらいって事なのよね。
「花ちゃん、おはよ!」
ボーッとしていると、原田さんが声をかけてきた。
「あっ、原田さん!」
靴の事を聞かなきゃ。
そう思った私より先に、原田さんが顔を覗き込んできた。
「花ちゃん、ゆうべは大丈夫だった?相当酔ってたから、心配だったよ」
「私、そんなに酔ってました?自分では、自覚がなかったんですけど…」」
そういえば、雅貴も私が酔ってるって言ってたな…。
「酔ってたよ。気が付かなかった?ろれつは回ってないし、足はフラフラだし」
「そんなに…ですか?」
恥ずかし過ぎる。
そんな私に、原田さんは苦笑いで頷いた。