ガラスの靴をもう一度
会議は滞りなく終わったけれど、結局集中出来なかった。
やっぱり、雅貴が気になってしまうから…。
その声に、何気ない資料を眺める仕草に、私は耳も目も奪われてしまっていたのだった。
「じゃあ、先に戻りますね」
まだ雅貴たちでさえ、席を立ち上がっていないのに、私は誰より先に資料を整頓し立ち上がった。
少しでも早く部屋を出よう。
そう思って、原田さんに声をかけた時だった。
「あっ、花ちゃん!聞いたよ~。川上くんと付き合う事になったんだって?」
「えっ!?」
まさか、ここで言われるとは。
みんなの視線が一気に向けられる。
もちろん、雅貴の視線も…。