ガラスの靴をもう一度


“チーム川上”

その言葉に、みんな驚いた顔をしている。

「原田さん、やめてくださいよ。恥ずかし過ぎる」

川上くんはそう言うと、私の背中にそっと手を添えた。

「行こう、萌ちゃん」

「う、うん」

楽しそうに見ている原田さんは置いておいて、雅貴はどんな気持ちなんだろう。

せいせいしてる?

それとも、すぐ次を見つけたって思って軽蔑した?

怖くて振り向けないでいると、麻生さんの声がした。

「素敵ですね、社長。若い方同士のカップルって、とても清々しい」

この言葉に、雅貴は何て返事をしたのかは分からない。

もう既に、私たちは部屋を出ていたから…。

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