ガラスの靴をもう一度
雅貴を本当に思い出にする為に、ひとつずつ新しい道を進まなきゃいけない。
「いいよ。川上くん…」
目を閉じると、川上くんの唇が重なった。
雅貴とは違う唇の感触。
キスする癖。
そして、香り…。
何もかもが雅貴とは違う。
どこか強引な雅貴と比べて、包み込む様な優しいキス…。
ねえ雅貴、本当に私に愛想を尽かしちゃったの?
本当に、私が靴を壊したと思ってるの?
本当に、捨ててしまった?
ねえ、今どこにいるの?
誰といるの?
声が聞きたい、顔が見たい…。
だけど、それは出来ない。
そう思ったら、涙が流れていた。
川上くんとキスをしながら、私は涙が止まらなかった。