ガラスの靴をもう一度
真実
「花ちゃ~ん。最近、ますます川上くんとラブラブになってない?」
「え~?そうですか?誰かさんには敵いませんけど」
冷やかす原田さんに、こちらも含みある言い方で返す。
崇史さんとの関係が秘密だから、思い切った冷やかしが出来ないのが残念だ。
しかも、こちらは隠す必要がないから、ここぞとばかりに、皆が茶化すネタになっている。
さらに社内では、川上くんとの関係が知れ渡ってから、“チーム川上”の洗礼が半端ない。
「すいません、これ。花井さんの社内便は、間に合いませんでした」
今日も小さな嫌がらせが、私を襲ってきた。
茶色い社内封筒を片手に、郵送チームの一人、同期の女子がやって来たのだった。
「えっ?でも、15時に出せば間に合うって、あなたが言ったんじゃない」
さすがに頭にきた私は、突っ掛かる勢いで反論したのだった。