ガラスの靴をもう一度
「萌…」
その瞬間、俺の理性なんてものは吹っ飛び、萌を強く抱きしめていた。
「ちょっと、雅貴!?恥ずかしいよ」
小さく抵抗する萌に、俺は力をさらに強くした。
萌の力じゃ、俺の腕は振り払えないよ。
「もう、絶対に離さない。誰にも、もう萌を渡さない」
「雅貴…」
小さな肩、甘い香りのする髪、そして柔らかい体。
萌の全ては俺のもの…。
「雅貴。私ね、ずっと雅貴を誤解していたの」
「いいよ。後でゆっくり聞くから」
もう、抑えられない。
自分の気持ちが…。
俺はゆっくりと萌を離すと、その顔を見つめた。
「俺は理屈なんて抜きで、萌が好きなんだ。萌の全てを受け入れたい…」
「雅貴…。私も、もう離れたくないよ…。雅貴とずっと一緒にいたい」
「もちろん、ずっと一緒だよ。今までも、これからもずっと一緒だ」
そして俺は、萌の唇にキスをした。
萌は恥ずかしがったけれど、俺は止める事が出来なかった。