ガラスの靴をもう一度
誰かが、口笛を吹きながら通り過ぎて行く。。
さすが、アメリカ。
こんな場所でキスをしていても、驚くどころか祝福されるなんて…。
「雅貴、もういいでしょ?」
小さく体を押しのけると、雅貴は笑顔を向けて言った。
「顔が赤くなってる」
「そりゃ、赤くなるって。恥ずかしいもん」
なんか、みんなニヤニヤと見ているし…。
雅貴は、アメリカ経験があるから平気なのかもしれないけど、私はやっぱり恥ずかしいよ。
「ねえ、もう行こうよ」
早く、この場を立ち去りたくて、急かす様にそう言った。
すると、雅貴は私が持っていた手荷物と、スーツケースを持ってくれたのだった。
「そうだな、行こうか。車で来てるから」
「うん。ありがとう」
雅貴の側が、やっぱり落ち着く。
私には、この場所しかないんだと、改めて思う事が出来た。
その事については、少し感謝かな?
麻生さんに…。