ガラスの靴をもう一度
雅貴は車を走らせると、郊外と思われる住宅街へと入って行った。
車内での雅貴はとてもご機嫌で、アメリカでの生活を、“刺激があり楽しい”と話してくれた。
そこに私も一緒に居られるなら、こんな幸せな事はない…、そう思う。
「なんか、大きな家がいっぱい」
一般的な家の、2倍から3倍はありそうな家ばかり。
どれも高い石垣で囲まれている。
セキュリティも万全といった感じだ。
「ここは高級住宅街だから」
「やっぱり!?」
「やっぱりって何だよ?」
雅貴の世界はVIPの世界。
半分、忘れかけていた。