ガラスの靴をもう一度
青空の下、角の家で車は停まった。
「ここが、今の俺の家」
リモコンで門を開けると、先に進んだ雅貴が手招きをする。
「ほら、入れよ」
入った瞬間、あまりの豪華さにア然とした。
門から玄関までが遠い上に、庭にはプールまである。
さらに、庭でパーティーでもするのか、白いテーブルと椅子も置かれていた。
さすが…。
「あっ、一つ言っておくけど、ここは別に俺所有の家じゃないからな?」
「え?どういう事?」
「会社の所有だって事。役員以上の人間は、この場所に住めるんだよ」
「へぇ~…」
それでも凄いって。
ゆっくりと雅貴の後をついていき、家に入るとまたもや驚き。
玄関の広さもさることながら、正面には大人二人でも余裕で通れるほど広い階段があり、天井にはシャンデリアがついている。
一体、部屋は幾つあるんだろう。
まるで高級ホテルの様な雰囲気に、私は呆然と立ち尽くした。