ガラスの靴をもう一度
秘密の関係
「花井ちゃん、これ社長室に持っていてくれないか?」
45歳、総務課長は、丸顔小太りのオジサマ。
人が良く真面目な人で、部下から慕われている。
フランクな人だから、私の事も“ちゃん”付け。
それに嫌みがないから、スゴイ人なのだ。
「分かりました!行ってきまぁす!」
課長から分厚い資料を受け取ると、胸に抱え部屋を出ようとした。
すると、
「ちょっと待ってよ、花ちゃん!私が持って行く!」
原田さんが、スーツのジャケットの裾を掴んだのだった。