ガラスの靴をもう一度
最上階が社長室で、その下4階分が自社。
人事総務部や、営業部などが入っている。
オフィス街を抜けると海岸が広がっていて、春から夏まではビルからの眺めも格別だ。
最上階に着き、“社長室”と書かれた金のプレートを眺めながら、木製のドアをノックする。
「どうぞ」
その声に、胸は高鳴る。
「雅貴!資料、持って来たよ」
「萌、ありがとう」
そう。
ここは、雅貴が社長を務める会社なのだ。