ガラスの靴をもう一度
「良かった~。今、崇史(かたふみ)さん居ないのね」
「ああ。あいつ、他の仕事でさっき出たばかりなんだ」
オフィス街を一望出来る窓を背に座っていた雅貴は、立ち上がって私の側へ来た。
31歳で、若き社長に就任。
その雅貴とは、今同棲をしている。
家へ帰れば二人きりだけど、それでも離れている時間がもどかしい。
それくらい、私たちはラブラブなのだ。
「ねえ、雅貴。崇史さんが帰ってくる前に、ちょっとだけならいいでしょ?」
目を閉じ、背伸びをすると、雅貴の唇が重なった。