Kiss Kiss Kiss
「司に話して ちゃんと身の回りのこと
片づけるからそれまで待ってて欲しい。
真澄のこともあるから
ちゃんと二人には納得してもらいたい。」

「はい。
待ってますから……
朝陽さんのいいようにしてください。」


突然のプロポーズだった。


その夜 私はなかなか寝付けなかった。
頭が興奮してて何度も指輪を見ては
現実だと言い聞かせる。

早く一緒に寝たい
朝陽さんの背中にくっついて眠りたい


司や真澄さんは許してくれるだろうか

二人と家族になれなかった罪悪感は
朝陽さんには辛かったんだろう。


「おかあさん……今日はいろんなことがあった。
悲しいこともそして嬉しいことも……
私いいんだよね。
おかあさんの 夢を叶えても……
私が おかあさんの代わりに 朝陽さんを
幸せにするから
どうか力を貸してください……。」

朝陽さんが母を愛していたこと
そして母がそれを受け入れずに
私を産んで 女手一つで必死に生きてきたこと


「おかあさんはどうして
朝陽さんの想いを受け入れなかったのかな……
自分も好きだったのに……。」


そんなことを考えている間に窓が明るくなってきた。

「寝ないと……。」

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