Kiss Kiss Kiss

「俺が変わらないと……何も変わらないから…
欲しいものも手に入れられない……
真剣にやれって
そこのブサイクに怒鳴られた。」

司が私を見た。

「え？私？」

「ムカつくけど　お前に言われた言葉
その通りだった……。現段階では欲しいものは
手に入らなかったけれど　俺もいつまでも
親父やババァに卑屈になってる人生じゃヤバいから……
俺のやりたいこと小さいころの夢を
この数日間ずっと考えてきたんだ……。」

「夢って？」

「昔　親父の書いたドラマに感動した時があって
主人公にえらく共鳴したことがあった。
あの時の役者を自分に置き換えて
やってみたいなって思ったことがあった。
俺がいつも親父に劣等感があって……
乗り越えるには　いつか親父の書いた脚本で
最高の演技をしたいって
とにかく今は親父を乗り越えたい！！！」

「嫉妬？」
ナナさんの件もあってそう思ったのか

「いいや憧れだよ。
素直には言えなかった・・・・・」

「ブサイクのおかげだよ
それに気づかされた……越えられない壁は高いけど
いつか乗り越えてやりたい……。」


私は朝陽さんを見つめた。

朝陽さんは嬉しそうに微笑んでいた。