Kiss Kiss Kiss
結局 そのスーツを全部と パンプスを三足
朝陽さんは大きな紙袋を持っている。

「朝陽さん 私が持ちます!!」

「いいのいいの~次は……」

朝陽さんが颯爽と入って行ったのは
宝石店だった。

「え・・・・・ちょっとちょっと待って……」

「瀬崎さま いらっしゃいませ。」

とても礼儀正しい初老のおじさんが出てきた。

「久しぶり。今日はネックレス
この子に似合いそうなの ちょっと見せて…
それからイヤリングもね。」

初老のおじさんは優しいまなざしで私を見た。

「可愛いお嬢様ですね。」

「うん 娘 娘~」

後ろから黄色い声がした。

「瀬崎さま お嬢様がいらっしゃったんですか?」

「うん 可愛いだろ?」

朝陽さんは私にウインクした。


「これなんかいいよ。」

「こんな高いもの…いただけません。
それに私にはもったいない……。」

「もったいない?そんなこと言わない。
美しくなるよ もっともっと……。」


朝陽さんの言葉にドキドキする………


「ピアスなら種類がたくさんあるんですけどね……
イヤリングは落としてしまう可能性もあるので
若い方にはあまり似合うものがないかもしれません。」

朝陽さんが私の顔を見つめる。

心臓が……壊れそう……。
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