Kiss Kiss Kiss
「もう音しなくなったね。
さてさて仕事しなくちゃ……な~~。」

朝陽さんが私の頬を優しく撫ぜてくれた。


私はその手を静かに掴んだ。


「ん?」

そしてその手にほおずりをした。

「夕日……ちゃん?」

「どうしてかな
朝陽さんに触れられるととっても気持ちがいいの。
男の人ってわからないけれど
朝陽さんは 多分私の大切な人なんだって
それだけはわかる……。」

「恩人だって?」

「恩人…ほんとめっちゃ恩人だけど……
だけど本当は王子さま……。」

「王子さま?」
悪戯っぽい顔は 相手にしてくれてない顔

「昔 私の母は王子さまに恋をしました。
そして今 娘の私が王子さまに 恋をしています……。」


言った
言えた!!!

伝わったよね?

「ありがと・・・・。」
朝陽さんは私の頭を撫ぜた。

「ありがとうじゃなくて……
好きなの 朝陽さんが……
多分 私の中のおかあさんの分もきっと……。」

「可愛いよ ほんとに可愛い……。」

「ダメ 可愛いじゃない
女として 私を見て欲しいの……。」

一度はきだした愛の言葉は大胆になっていく・・・・。

「あなたの隣にいさせてください……。」
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