金曜日の彼女【完】
「……さっきまで…あんまり元気なさそうだったし…か、彼氏と…なにかあった…とか?」

遠慮がちに聞いてくる。

―――…彼氏。あれは彼氏といえるのかな。

「あー、別れた…かな」

ボソッと呟いた。

「え!?わ、別れた?」

目を見開き驚いている。

「…うん…まあ。…こんな話やめよ?せっかくのクラス会なんだし」

「あ、ああ」

俯く航平。

「はい!航平、これあげる」

そう言って航平の口に少し小さめのサンドイッチを入れる。

「――…んがっ!…んぐぐ…」

「アハハハ。ゴメンゴメン。はい!お水」

少々強引に入れたせいで喉に詰まらせしまったらしい。

「ゴホッゴホッ――…お前なー」

そう言いながら航平は私の髪をぐちゃぐちゃにする

あ……………これ―――…

「ちょっ…航平、やめ――」

付き合っていたとき航平がよく私にしてた癖―――

「あ……ごめん」

航平も思わず手を引っ込めた。


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