金曜日の彼女【完】
――――――…


「そっか、龍太、高校辞めたんだ」

水曜日の彼女―純菜―はそう呟いて目を伏せた。

「うん。それ以来…全然連絡もつかない」


純菜にはちゃんと別に彼氏もいて、龍太は水曜日だけの浮気相手だったらしい。

「っていうか、琴葉が龍太とって…なーんか意外だな」

「どうして?」

私からすれば純菜だってそうだけど…

「だって…なんか、航平とはえらくタイプ違わない?」

チラッと航平を見る純菜。

――…中学時代、ほぼ公認の仲だった私と航平。当然純菜も知っている。

「学校での龍太は…航平と似てた…かも」

航平は生徒会長もしたりして先生や生徒の信頼も厚かった。

今日だって、幹事を引き受けたり。みんなが面倒臭がることを率先してやる。

それは龍太だって同じ―――…

学校では常に優等生だった。人望もあった。

男女問わず友人も多かった。

――…私――最初は航平に似てたから…だから惹かれたのかな。

航平と私は自然消滅みたいなもので、特にどちらかが別れを切り出したわけじゃなかった。

ただ、高校が別になることで自然と疎遠になって。

ある意味、お互いどこか気持ちを残したまま離れていった気がする


でも今は―――――…



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